いらっしゃいませ!!

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「ワシがゆうたんやない!
    電波や…、電波がワシにいわしよんのや!」

2009/09/26

映画「私の中のあなた」を観て

いい物語です。映画館へ行くかどうかは別として、観ておいた方が良い作品です。

白血病の姉に臓器を提供するドナーとなることを望まれて生まれた11歳のアナ。
彼女はこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきたが、母サラは愛する家族のためなら当然と信じてきた。そんなある日、アナは姉への腎臓提供を拒否し、両親を相手に訴訟を起こします。

物語は子供たち3人の視点で描かれますが、ラストを考えればストンと落ちる描き方で、よく考えられた構成です。冒頭から使われるアルバムは、そこに生きた人の全てを塗りこめるツールですが、実は関連する人々全ての記憶と感情に残るものとして考えられます。

誰かと別れる、誰かを亡くす。人が悲しいと感じるのは、自ら構築した世間の一部が欠損するということなんですね。
失くしたパズルのピースのように、全体の世間が構築する絵のなかで、そこだけが欠けてしまったピースは、他のものでは代替えできず、失くした痛みは消えません。
この「痛さ」は、その人の経験と個人の特性によって違い、同じ「痛さ」にあっても感情に齟齬が生じ、人と人をすれ違いさせる、ということでしょうか。
ただし、人の存在はその一要因でしかない、自らの属する社会は、この欠落を斟酌せず、何かが変わる訳でもありません。

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