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2010/01/14

映画「フローズン・リバー」を観ました

1月30日公開の「フローズン・リバー」の試写を観ました。

ニューヨーク州の最北部で、夫と息子2人とトレーラーハウスで暮らすレイ(メリッサ・レオ)は、もっと広い家を購入するための貯金を夫に持ち逃げされる。支払期日までにお金を稼ぐべく、レイはモホーク族ネイティブアメリカンの女、ライラ(ミスティ・アップハム)と手を結ぶ。その仕事とは、密入国者を国境にまたがる先住民居留区のカナダ側で車のトランクに乗せ、冬の寒さで凍りついたセント・ローレンス川を渡り、アメリカへ不法入国させるというもの。生活のために犯罪に手を染める2人の母親の姿を描く。

冒頭シーン、タバコを吸いながら車の運転席に腰かけ、出て行った夫と、持って行かれた金の現実に涙を流すレイの足の親指の刺青と、シワの目立つ顔立ち、その住居のトレーラーハウスにその貧しさが表れます。また、暗欝に垂れこめる曇天と、のしかかる雪に閉塞感が感じられ、重苦しさに息が詰まります。
100分弱のこの映画で終始意識させられるのはこの重苦しさでしょうか。
もう少しエピソードを盛っていくこともできる尺の長さですが、全体的に簡潔にまとめられたストーリーは、感情の起伏をとらせてくれません。
ラストまで誰もしあわせにならず、ただ生活が続いていくこと、それだけのために犯罪に手を染める母親に愛を見出せない方もいるかもしれませんが、レイとライラの間に生まれる共感が情であることは間違いないでしょう。

しかし、アメリカの南に接する国境でのストーリーはいろいろありましたが、北の国境の密入国というのは、初見でした。国境をまたぐ先住民居留区の自治を利用した犯罪の存在は実話ということですが、これを脚本に取り入れた時点で、映画としては成立を約束されたも一緒でしょう。

映画館で観ないといけない映画かどうか、というとワタクシとしては薦めきれません。
ただ、せっかくの良い映画が、大作映画をシネコンで大量上映する映画業界の傾向の余波に呑まれ、日本で公開されない状況を憂い、映画館が配給を行うという異色の試みのこの映画に、引き続き良作が日本で公開されることを期待する方々は、エールを送るつもりで劇場に足を運ばれるのも良いのではないでしょうか。

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