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「ワシがゆうたんやない!
    電波や…、電波がワシにいわしよんのや!」

2006/07/16

横山秀夫「クライマーズ・ハイ」読みました。

う~ん、読み終わってしまいましたね。毎日楽しみにちょっとづつ読んでたんですが…。

作家の作品の、特に短編が大好きで、文庫になったものはすべて読んでます。
D県警シリーズの二渡の描写が、短編ごとの中心人物によって違うところなんかは、よく書けていますし(うわァー、下目線)、F県警強行犯課シリーズなんて、『三大怪獣 地球最大の決戦」ですよね。とにかく、キャラが秀逸、しかも、各編ごとに変えるくらい多彩、ホンと楽しい物語を書く人です。

で、長編ですが、「反落ち」はよくできている物語で、いい作品なんですが、ワタクシ、いまいちのりが悪かったんですよね。で、今作なんですが、いやぁ~、秀作、面白い。
内容はというと(ここで浜村淳並に全編しゃべっちゃってもいいんですが)あまり書きませんが、中心は「御巣鷹山航空機事故」で、そこに作者がピカ一の組織物、また、父子物など、ほんとお腹いっぱいというくらい入っています。しかも、うまいのが「御巣鷹山~」onlyならヒューマンドラマなんですが、衝立岩登山を予定していたバディが倒れた事によるミステリィが入る事によって、人の生きるよすがとは何か、という主題が浮かんでくる。
また、短編同様、キャラの多彩さ、立ち方は秀逸、新聞社内の各人は濃い人ばかり、それでいて、物語のエピソードを際立たせているファクタになっていて、ホンとうまい。
しかも、新聞社の社会的立ち位置について、作者の思いが込められていて、前職を考えると、かなりストイックな「ブンや」さんだったんだろう事が伺えます。

泣かせるところも満載で、ワタクシ、p.421の49節は泣きました。最後はハッピィな終わり方していて、楽しかったとつくづく思える一冊です。

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