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「ワシがゆうたんやない!
    電波や…、電波がワシにいわしよんのや!」

2010/10/27

John Legend&The Rootsの「Wake Up!」を聴きました

すばらしい企画、すばらしい内容のアルバムです。
断絶された人々にもたらされる問題が、社会の一体化により混在する時代にあたり、立ち竦み、頭を抱え伏せている人に、「立ち上がる」よう促す目的をもって作られたコンセプチュアルなアルバムです。00年代に知らぬふりをしていた人々が、物事を直視し、行動していこうとする10年代に、それぞれが掲げるアンセムとなるのではないでしょうか。
一曲一曲が素晴らしいので曲として楽しむことも可能ですが、その内容に引き込まれ、曲単体ではなく、アルバム全体を聴かざるを得ないもので、現在の単曲のダウンロード販売が中心の音楽業界へのアンチテーゼでもあります。

すべては2008年夏のアメリカ大統領選から始まります。オバマに変化と希望を見たジョンは、多くの著名人と共に、大統領就任への協力なバックアップとなりました。その過程で、新たな世代の活動家たちの葛藤と可能性を、積極的な政治行動と楽観主義に導こうとしたジョンに、60・70年代の社会派ソウルを用いるアイデアを与えたザ・ルーツのクエストラブとの強力なコラボレーションが生んだアルバムです。クエストラブの膨大なコレクションから引き出されたマニアックな選曲は、公民権運動・反戦運動に呼応し、変革を起こすことを認識し、前線に立つこと、人々を啓発し、インスピレーションを与え、導くことを恐れなかった当時の音楽を通じて、先人の行動と成果を提示し、人々を揺り起こすことに成功しています。

前述したようにヒット曲が数少ないマニアックな選曲ながら、オリジナルそのまま、またはアレンジにより、R&B、ヒップホップ、レゲエ、ゴスペルとバラエティに富んだ内容で、アルバムコンセプトに比して聞き飽きることがありません。また、サンプリングの元ネタ曲を重点的に集めたために、オールドスクール‐サンプリング‐本作と音楽史の中の現在の立ち位置を明示し、過去の地平としての現在を顕在させた重層的なものになっています。当時のリリックとラップなどで挿入される現在のリリックの整合性は驚くほど相似であり、これほど考え抜かれ、練り抜かれたアルバムというのも、消費のスピードが速い現代に於いては珍しいのではないでしょうか。

間違いなく2010年のベストアルバムであり、恐らくジョン・レジェンドのベストのアルバムです。購入するならば、ぜひ日本版をお勧めします。アメリカ版ライナーノーツの日本語訳とジョンとクエストラブの全曲解説がついており、これが内容の理解を手助けしてくれます。また、ボーナストラックでデイヴィス・グッゲンハイム監督の最新映画「Waiting For “Superman”」に使われたバージョンの「Shine」が1stアルバムの名曲「Ordinary People」を想い浮かべさせる素晴らしい曲です。

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