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2009/12/04

映画「イングロリアス・バスターズ」を観ました

かなり遅くなりましたが、Q・タランティーノ監督の最新作、「イングロリアス・バスターズ」を観ました。
152分という長い尺の映画で、マカロニ戦争映画を交互に2本観たようなカンジですね。

面白いかどうか、というと、まぁ面白いかなぁ、という…。

タランティーノ監督ですから、徹底的に娯楽を追及しますし、今回は第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を扱った戦争映画ですが、史実は無視してやりたいようにやっています。筋としては、ユダヤ人狩りにあい、自分以外の家族を殺されたメラニー・ロラン演じるショシャナの、クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐への復讐譚と、題名となっているブラッド・ピット演じるアルド・レイン大尉率いるユダヤ系アメリカ人の極秘部隊の活動を追うところが、ナチス高官がすべて集まるプレミア映画上映会に収束していくのですが、断然本線は、復讐譚の方なんですね。ところが、残念ながら、こちらにはあまり動きがなくて、画としては「バスターズ」のアクションがないとつらいところです。

この映画の微妙なところは、全体的に「ねっとり」しているのをおもしろがれるかどうか、にあると思います。
まず、言葉の部分なんですが、これまでのタランティーノ的ではない饒舌で、ナチス占領下のフランスで、ドイツ語、フランス語、イタリア語(!)の会話のニュアンスであるとか、発音、それぞれの国のしぐさのやりとりのねちっこさがあります。

あとは、画のねちっこさがあって、これはいつも通りのところではありますが、例えば、パリ郊外の居酒屋で、バスターズとスパイが落ち合うところ、偶然居合わせたナチスの将校が、スパイを見破るシーンは、酒を飲みながら、ゲームをし合い、会話を交わしながらの息詰まるものですが、カメラを動かさず、向かって右に手前の人の顔のアップに焦点合わせて、左に後ろで飲んでいる他の客の画をぼかして撮ってくるんですね。これが重苦しいシーンで延々続きますから、冗長に感じる向きもあるかと。

こういう画に対するこだわりといいますか、例えば、プレミア上映会の章で、ショシャナが映画館のバックヤードで化粧して、ナチス将校が集まる映画館のロビーに移動するシーンは、バックヤードの部屋から廊下へ出て、そこを歩いてロビーの両開き扉を開けるところを俯瞰で撮るんですが、たぶんそのシーンのためだけにこのセットを組んでるんですね。この辺に金使っているなぁ、と。ここを追いかけると、いつものタランティーノ作品と同様に面白がれると思いますが、ワタクシは、反芻している途中というところでしょうか。

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