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「ワシがゆうたんやない!
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2012/06/11

映画「ファミリー・ツリー」を観ました

5月18日に公開された「ファミリー・ツリー」を観ました。
いやぁ、オヤジはみっともなくても、思うように体が動かなくても、走らなきゃならないもんなんですね。

ハワイ・オアフ島。カメハメハ大王に連なる祖先の土地を受け継ぐ弁護士のマットは、妻と2人の娘を顧みず、仕事に粉骨砕身する人生を送ってきた。
彼は、カウアイ島にある先祖代々受け継がれてきた広大な土地を売却するかどうかという問題を抱えていた。そんなある日、妻がボート事故に遭い、意識不明の重体となる。 さらに、妻に不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。
物語の経糸が妻の不倫相手探しであるならば、緯糸は映画の中で不在である妻を発見(再発見かもしれませんが)していくことです。
家族が裕福に暮らせるよう仕事一筋に頑張る男は、その実、口うるさい妻と、どう接してよいかわからない娘たちという家族から仕事に逃げていたんですね。
それが、不在である妻の不倫の事情を探ることで妻と向き合うことになり、その探索を協働することで娘たちと向き合うことになります。
ここで初めて(というかやっと)、男と妻そして2人の娘が家族になったわけです。
家族を得た男にとって先祖代々受け継ぐ土地の意味も変わります。
売却しなければ、親戚それぞれにバラバラに相続されて景観や文化、もちろん価値もどうなるか分からないという理性的な判断よりも、「家系図」の連なりの中で先祖から託され続けてきた土地を、子孫たる自分が、先祖もそうしたように自分の子供へ、未来の「子孫達」へ託す判断をするわけです。
ここでカウアイ島キプ・ランチの説得力は絶大ですね。どんな人にも護らなければならないことが分かると共に、ただの土地というだけでなく重要なモノ・コトを内包すると感じさせる素晴らしい道具立てになっています。
ラストがいいですね。
「あ~、そうなったんだ。」という幸せなカンジが伝わるシーンです。
本作の監督であるアレクサンダー・ペインは自分で撮る映画では家族を題材にしています。家族が形としての「器」ではなく、中に入っている「モノ」を相対として名付けると家族であると思わせてくれる作品を、コメディとして語ってくれる監督です。


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