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2012/01/27

農業生産法人の土地保有株式会社化のススメ

日本経済新聞1月24日付朝刊の15面「大機小機」にて「土地保有株式会社のススメ」と題した記事が掲載されていまして、これがなるほど、と思いました。
というのも記事では、東日本大震災の被災地で、生活の基盤となる住宅(土地)を個人で再建するには限界があるのではないか、ということから考察したものでしたが、ワタクシは同じことを農業再生において考えていたからです。そこで、記事全文を引用するのはなんですので、内容をワタクシが考えた農業再生の方法に置き換えて述べてみようと思います。

まず、地区の有志で農地所有者が農地を現物出資して株式会社を設立します。個人の農地は会社資産となり、地権者は個別具体的な農地の保有者から会社の抽象的な持ち分(株式)の所有者になります。
そうすれば、農地にまつわる煩雑な権利調整が減り、全体的な整備が容易になります。規模が大きくなれば、これまで農協を通して行ってきた原料や機材の購入、卸・小売への流通といったことが会社で一括して行うことができ、コストの低減も見込まれます。
では農地を出資した有志は何をするか、というと、この会社の社員やパートとして、引き続き農業生産に従事するということになります。要は持ち株社員ということです。有志の努力により、会社で利益が出て、配当が可能になれば、社員やパートとしての所得と共に配当も得られるということです。これなら高齢の方でも自分の体力に合わせて働くことができますし、働けないとしても配当が期待できることになります。
後は、相続の問題と、有志から抜ける時の農地の原状回復という問題があります。

私有財産である農地を共有財産化して、公共財の本来の姿に近づける試みは、農業の持つ社会的な位置付けからして有効なのではないか、と思います。
つまり、日本の農地利用の問題点として、農地が個人所有に細分化されすぎ、その土地を利用した農業による所得が公的に抑えられているため儲けることができず、その個人が大規模営農に踏み出せないこと、個人営農において動機付けが得られない価格設定のため、生産性の向上を目指さず商品用とされていないこと、農業生産法人を設立しても農地の売買に制約があり、貸借するにしても細分化された個人所有の農地に対して個別に交渉しなければならないこと、が頭に浮かびます。
農業が国土保全に重要な役割を担っているという認識はあるのに、その運営は全面的に個人が負っているなんて、負担が重すぎて農家の方が農業をやめたいと考えても当然でしょう。

さらにここで重要なのは、上記したことに補助金や給付が必要ない、ということです。
大規模営農者や農業生産法人には戸別保障制度を割増せ、という議論もありますが、彼らが困っているのは自由に利益を追求できない規制の煩雑さ・多さなわけです。この規制を廃止すれば補助金や給付はいらないです。その分を国土保全の一翼を担っている小規模個人営農者の農業生産コスト補填にあて、農業を継続していく最低限の原資にしてもらうようにします。現在の戸別保証制度を一定規模以下に限定し、それ以上の規模の営農者には、規制の廃止によって自由に利益を追求してもらう形に変えなければなりません。
しかし現状は逆で、規制を温存したままで社会の批判を受けないように補助金や給付を創設し、それによってまた仕事を増やしてしまう役人の意図がありありとでています。これは農業だけでなく、日本の社会全般の閉塞感の根源ではないでしょうか。

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